顧客満足度とその調査で見落とされてしまう点
今まで、いろいろな業種、企業において、CS(Customer Satisfaction)を
上げることがブランディングや企業の成長にとって重要とされてきました。
確かに、お客様に満足してもらうことは大切なことではあるのですが、
一回の買い物で、その時満足していただけたとしても、
リピーターになってもらえるとは限りません。
一回買ってもらったけど、それっきりというお客さんは
意外と多いのではないですか?
サービスや商品が充実していて、
顧客満足度の非常に高いお店があったとしても
お客さんによってはお店が家から遠ければ行きにくいでしょうし、
リピーターになってもらえない理由はいろいろ考えられます。
あなたは、店のサービスにはそんなに満足はしていないが、
わざわざ新しい店を探すのは手間に感じて、いつも行くお店なので、
ついその店に行ってしまうというような経験はないですか?
そのお店はあなたにとっての顧客満足度は決して高くはないのに、
あなたはリピーターになっています。
顧客満足度を高くすることは必要なことなのですが、
リピーターを増やすために顧客満足度調査のよる結果だけを頼りにしていては、
そのデータでは分からない部分がありそうですね。
そこで、リピーターになってもらえる確率を高くする顧客の親しみやすさ、
つまり、顧客ロイヤルティ(ネットプロモータースコア)
という指標を注目する必要が出てきます。
リピーターを増やす為の2つの指標(NPSとeNPS)とは?
顧客ロイヤルティとは?
ネット・プロモーター・スコア(英語: Net Promoter Score, NPS)とは、
フレッド・ライクヘルドが提唱した、顧客ロイヤルティ、
顧客の継続利用意向を知るための指標。
「顧客推奨度」や「正味推奨者比率」と訳される場合もある。
【NPSの調査分析】
点数 | 評価 |
---|---|
10 – 9 | 推奨者(Promoter) ロイヤルティが高い熱心な顧客。
自らが継続購入客であるだけでなく、 他者へサービスを勧める『推奨』の役割も担う。 |
8 – 7 | 中立者(Passive) 満足はしているが、
それ程熱狂的ではなく、競合他社になびきやすい。 |
6 – 0 | 批判者(Detractor) 劣悪な関係を強いられた不満客。
放置しておくと悪評を広める恐れがある。 |
顧客ロイヤルティとは、
「顧客がそのお店や企業にどれくらい親しみや信頼を感じているか?」
ということです。
その顧客ロイヤルティを把握するための指標を
NPS(ネットプロモータースコア「顧客体験」)と言います。
NPSとは顧客が実際に買い物をした時の体験を評価してもらうというもので、
「あなたはこの企業(お店、サービス、ブランド)を友人や同僚にお薦めしますか?
0~10の11段階でお答えください」「その理由をお教えください」
というアンケート調査をして、それを数値化したものです。
11段階の分け方は、9~10を「推奨者」、7~8を「中立者」、0~6を「批判者」
に分類し、「推奨者」の割合(%)から「批判者」の割合(%)を引いた値が
NPSになります。
ただしアンケートの数が少ないと、正確な結果が得られません。
統計学的な観点からすると、サンプルが多いほど正確な数値になります。
またそう評価した理由を聞くことで、今後の改善点が見えてきます。
「推奨者」から評価された点は企業の「強み」になります。
反対に「批判者」から評価された点は「弱点」になります。
強みを伸ばし、弱点を改善することで、よりNPSを高くすることができ、
リピーターが増え、企業のブランディング、成長に繋がります。
eNPSとは?
eNPS「Employee Net Promoter Score」とは、従業員ロイヤリティーのことで、
従業員の職場や会社に対する愛着の度合いを数値化した値です。
アンケートの対象が、NPSは顧客ですが、eNPSは従業員です。
「今の職場で働くことをどの程度友人や知人に薦めたいと思いますか?」
「またそう思う理由を教えてください?」
という質問を行い、NPSと同じように割合から数値を出します。
eNPSはその値が高いほど、実際に離職率が低く、
仕事の生産性が高い職場であることが分かっています。
すでに、大手企業などでは、職場環境などの改善、
さらには生産性の向上の為に、eNPSを導入し取り組んでいます。
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